遊戯王セブンスがクソ面白いという話

アニメ遊戯王シリーズ

その歴史は長く、1998年~2021年現在まで続いている。

今まで放送された作品は

遊戯王(東映版)

遊戯王デュエルモンスターズ

遊戯王GX

遊戯王5D's

遊戯王ZEXAL

遊戯王ARC-V

遊戯王VRAINS

遊戯王SEVENS

と日本でテレビ放送されただけでも8作品もあり、劇場版や日本未公開の海外版も含めればさらに増える。

 

そしてその中にはもちろんの事、出来不出来が確かにある。

そして私が今日お伝えしたいのは現行シリーズの「遊戯王SEVENS(以下セブンス)」がめちゃくちゃ面白いと言うことである。

 

何故セブンスが面白いのか、これを3つのポイントに絞って解説しようと思う。

が、その前に遊戯王アニメの特殊な面白さ基準について先に語らせていただきたい。

遊戯王アニメとは、根本がカードゲームであるため「カードゲーム自体の面白さ」を描ければ基準点を超えることが出来る。

究極的には一般的なアニメの評価基準の作画、ストーリー、声優の全てがダメでもデュエルさえ面白ければギリ許されるのだ。

私が個人的にとても好きなシリーズの遊戯王GXは正直ストーリーは意味不明だ。

主人公への後付け設定の盛り具合だとか3年目がよく取り沙汰されるがよく考えれば1年目から相当おかしいだとかが考えずとも頭に浮かぶ。

それでも私が遊戯王GXが好きな理由はデュエルが面白いからである。主人公だけでなくその他のキャラのデュエル構成や演出には毎話ワクワクさせられる。みていて気持ちのいい作品なのだ。

 

ここでセブンスの話に戻る。

ポイント1、セブンスはデュエルが面白い

セブンスにおけるデュエルは遊戯王OCGではなく、遊戯王ラッシュデュエルである。

このラッシュデュエルとは遊戯王OCGを簡略化させたものだ。全体的なカードパワーを下げ、OCGでは非常に貴重な効果として扱っていたドローのハードルを下げたものと考えて欲しい。

アニメでのデュエルをこれにした事により、扱うカードの複雑さが解消。デュエル構成を考えるスタッフの負担が軽減された事により全体的にプレイングミスが無くなっているのである。

すぐに気づくプレイングミスはそれに気づいた時点で視聴者は萎えてしまうし、その後もプレイングミスをするのではないか?と構えてしまう。

それがほぼ無いため安心して楽しくデュエルを見る事が出来る。

さらに簡略化したことによりゲームスピードも上がり、5D'sやZEXAL以降の作品では常態化していた2話またぎのデュエルも各クールのラスボス戦以外ではしていない。そのためダレる事がなく1話1話に集中出来る。

そして何より基本的に遊戯王ラッシュデュエルのカードデザインに準拠しているためアニメオリジナルカードが存在しておらず(効果が違うカードはあるが後に修正はしている)、そのためカードの裏面もアニメオリジナルのものではなく実際のカードと同じものになっている。

 

ポイント2 、キャラの扱い方

この作品では登場した名前のあるキャラに極力デュエルをさせようとする。もし設定的にデュエルをしなさそうならそのキャラへの味付けを濃くするなどして登場させている。

これはそれまでのシリーズではほぼなかった展開だ。それまでのシリーズでは「デュエルキャラと非デュエルキャラ」「メインキャラとモブキャラ」がハッキリと分かれていたからだ。

セブンスでは極端に分かれさせていないのでその街に住む人々が確かにそこに住んでいる現実感がある。

シリーズを既に見ている方々には「沢渡さんの取り巻きがちゃんと1話を使ってデュエルをする」といえば伝わるだろうか

またキャラの再登場も多く、それも無理なくストーリーに溶け込ませているのでそのキャラのファンには嬉しいことかもしれない。

 

ポイント3、細かい演出による無理のないストーリー展開

遊戯王とは超展開のオンパレードのアニメだ。突然異世界に行ったり、石版が降ってきたり、精神世界に行ったりと普通のアニメならば許されないであろう展開が平然と行われてきた。

それはスタッフと視聴者の間にある信頼関係の元許されたものであり、それを楽しんでいなかったと言えば嘘になる。

しかしそれをやりすぎたシリーズも存在している。そしてやらなかったシリーズもある。

セブンスにはそれらの反省を踏まえてストーリーを展開している節がある。

一つ一つのセリフに意味があり次の展開に繋げているのだ。

遊戯王シリーズは一つのシリーズを3年間以上やる事でおなじみだが、それにより緊張感の薄れや間延びした展開などもおなじみになっていた。

それをセブンスは無くそうとしている。具体的には1クールごとにテーマやラスボスを据えて1クール内でしっかり1本のアニメとして完結させようとしているのだ。だから1分1秒とも尺を無駄にできない緊張感があり無駄な展開や無駄なセリフが減っていて作品にお話が詰まっている=脚本の満足度が高い。

また1クール内で拾う伏線の他、明らかなロングパスの伏線もしっかりと貼っておくなど3年間やるアニメとして必要な事も欠かしていない強かな戦略も垣間見える。

ちなみに私が好きなのは第3クールの「ゴーハ6小編」だ。ラスボスのアサナちゃんが可愛い。そしてラストがいい。

 

以上私が遊戯王セブンスをオススメする理由だ。

遊戯王セブンスは逆境の中生まれた作品である。

前2作の評価、キャラデザや設定の低年齢化、OCGを取り扱わない、コロナ禍など多くの不利を抱えた作品になってしまった。

しかしその中で生まれたそれは明らかに遊戯王であり、遊戯王シリーズの中でもひとつ頭抜けた作品となっている。

キャラデザを食わず嫌いしていた方も騙されたと思って1クール見てもらいたい。

そこにある遊戯王シリーズとは一線を画す何かを感じてもらえたら幸いである。