怪文書を尋ねて

空に太陽がある限り眠りは訪れない。

人間の脳は太陽並の明るさを目で感じるとスイッチを入れるらしいからだ。

 

人は寒さによる極限状態では全ての感覚が麻痺して暑さすら覚えるらしい。

 

今日もいい天気だ。しかしそれを感じるのは視覚のみだ。

 

視覚ですらない。

 

窓から射す陽を確認して今日が晴れだと認識した。

 

これは視覚か?記憶か?

 

クーラーは通常に作動している。

 

窓の外にとんでもない光源がないとも限らない。

 

スマホの時計表示は09時05分となっている。

 

これも怪しい。

 

悪意の有無に関わらずそれぐらい誰にでも出来そうだ。

 

悪意という概念すら無いかもしれない。

 

外敵というのは野生を失っても外敵だ。

 

外の気温を想像すると死にたくなってきた。

 

でもこれは死にたい気持ちなんかではない。

 

死は理性を超越してまで選ぶかけがえのないものだ。

 

それを生きたいと願う人間が口にするのはおこがましい。

 

早く死ね。

 

死ね。

 

死ね。

 

死ね。

 

死ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眠れぬ朝になってしまった。

 

僕は布団をかぶりスマホを開く。

 

怪文書というのは難しい。

 

ある一定の文章力を持った人間が生み出せる世界だ。

 

私に世界を構築するのは不可能だった。

 

だからせめて俺だけの睡眠が欲しい。

 

その願いが聞き入れられた時、初めて自分は思うだろう。

 

そんな事しか叶えられない神など死ね。